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区分マンション投資は節税対策? その理由と注意点!

 

なぜ区分マンション投資は節税対策になる?その理由と注意点を相続のプロが徹底解説!写真
2021.11.15

皆様は、相続対策として不動産購入をご検討されたことはありませんか?

相続対策としての不動産購入とは、要するに『現預金等を不動産に組み換えることで相続税を安く抑える対策』のことです。
この対策はお客様からのお問い合わせも多いため、“節税になる仕組み”をご存じの専門家の方も多いはず。

しかし、一時的な節税効果だけを見て、安易に不動産購入を考えてはいないでしょうか。

中でも「区分マンション投資」は特に節税効果が高いものですが、あくまでも投資の一つなので、もちろんリスクもあります。
私たち専門家はそのリスクも把握した上で、長期的な目線で相続対策を提案しなければなりません。

今回は区分マンション投資の相続対策の効果とからくりを解説し、その留意点や、相続発生後に売却するときのポイントをお伝えいたします。

・区分マンション投資が相続税節税になるからくりは、「土地面積」にある。
・特に対策効果が高いのは、大規模高層マンションやヴィンテージマンション。
・区分マンションは1棟アパートに比べて、「分割対策として有効」「管理面の負担が少ない」等のメリットがある。
・区分マンション投資の留意点として、空室になると賃料収入がなくなるリスクや、売却損の可能性もある。節税効果だけを見て購入するのではなく、あらゆるリスクを考慮して検討することが重要。

 

区分マンション投資の相続税評価額のからくり

まず初めに、なぜ区分マンションが相続税節税の効果が高いのか、そのからくりを見ていきましょう。
不動産の相続税評価額は、土地と建物に分けて次のように計算します。

土地:土地面積に相続税路線価を乗じて求めます。
土地が不整形、未接道地などである場合は、一定割合を減じます。
建物:固定資産税評価額です。

そして、土地・建物を賃貸・賃借(借地)している場合は、上記で求めた評価額から一定割合を減じることができます。

それでは、区分マンションと1棟アパートの相続税評価額を比較してみましょう。

項目区分マンション1棟アパート
購入価格8,000万円8,000万円
土地面積8㎡(敷地面積×土地持分割合)100㎡
相続税路線価50万円/1㎡当り50万円/1㎡当り
借地権割合D地域(60%)D地域(60%)
建物固定資産税評価額2,500万円2,500万円
状態第三者に貸している第三者に貸している

項目区分マンション1棟アパート
土地相続税評価額①328万円
8㎡×50万円/㎡=400万円
第三者に貸しているため、
貸家建付地評価減
400万円×(1-借地権割合60%×貸家建付地30%)=328万円
4,100万円
100㎡×50万円/㎡=5,000万円
第三者に貸しているため、
貸家建付地評価減
5,000万円×(1-借地権割合60%×貸家建付地30%)=4,100万円
建物相続税評価額②1,750万円
第三者に貸しているため、
貸家割合30%を評価減
2,500万円×(1-30%)=1,750万円
1,750万円
第三者に貸しているため、
貸家割合30%を評価減
2,500万円×(1-30%)=1,750万円
土地建物の評価額(①+②)2,780万円5,850万円
購入価格と評価額の差▲5,992万円圧縮率▲74%▲2,150万円圧縮率▲27%
相続税率が30%とした場合の節税効果▲5,922万円×30%=▲1,777万円▲2,150万円×30%=▲645万円

※各数値等は、効果イメージを分かりやすくしたものであり、実際は詳細計算が必要です。
※相続税対策の効果検証は、税理士等の専門家に確認してください。

1棟アパートを購入
なにも対策をしなかった場合と比べ、▲645万円も相続税が安くなります。

区分マンションを購入
なにも対策をしなかった場合と比べ、▲1,777万円も相続税が安くなります。

購入価格や相続税路線価が同じでも、アパートと比較し区分マンションの相続税対策の効果が高いことが分かります。
もう皆様もお気づきだと思いますが、この対策の効果が高くなる理由は、『区分マンションは、アパートと比較し土地持分が少ない。そのため、土地の相続税評価額が低い』というからくりがあるからでした。
時価と評価の差が大きくなればなるほど対策効果が高いということですね。

ここで、区分マンションの中で時価と評価の差が大きく、対策効果が高いものを2つご紹介いたします。
・超高層マンション等の大規模マンション
⇒総戸数が多いため、その分土地持分が少なくなる。

・ヴィンテージマンション
⇒築年経過により建物の固定資産税評価額は下がるが、売買価格は下がらない人気マンション。
売買価格と相続税評価額の差が大きくなり、相続税対策効果も高くなる。

この他に、区分マンションではありませんが、不動産持分で所有する『小口化不動産』が最近注目されています。

新築や築浅の駅前のビルや1棟のマンションを持分(購入口数に応じる)で所有することができ、相続税対策にも区分マンションと同様の効果が得られるため、人気を集めています。

区分マンションは資産承継がしやすい

これまでお伝えした通り、区分マンションは相続税対策として効果が高いことが分かりました。これは大きなメリットですね。
区分マンション購入による相続対策のメリットは他にもあり、親の資産内容にもよりますが、遺産分割がしやすくなることが挙げられます。
たとえば、相続人となるお子さんが3人いて、9,000万円分の相続税対策を検討しているお客様。
・9,000万円のアパート1棟
・3,000万円の区分マンション3戸

遺産分割で揉めないためにはどちらの方がいいでしょうか?
このケースでは、区分マンション3戸の方が子どもそれぞれに区分マンションを割り当てることができるため、遺産分割しやすくなります。
逆に1棟のアパートの場合には、それぞれに物件を割り当てることができず、子ども3人の共有名義でアパートを所有させるか、もしくは、1人がアパートを相続し他の2人にはアパートに代わる財産を相続させるかなど、遺産分割の方法を検討しなければなりません。

また、区分マンションは1棟アパートより管理面の負担が少ないこともメリットです。
建物の中長期修繕計画策定やメンテナンスなどはすべて分譲マンションの管理会社が行うからです。もちろん、賃借人や、室内の設備等の管理は必要です。
アパートの場合は、オーナー自らが行う必要があります。
これまでの私の経験上、修繕計画を立て、その資金を積み立て、定期的な計画見直しなどをしてきたオーナーや管理会社はかなり少ないです。新築時に立てたっきり見直しをしていないというケースが大半でしょう。

区分マンションであれば、被相続人は、相続人の管理負担が少ない資産を残してあげることができるのです。

区分マンションを利用した相続対策の2つの留意点


区分マンションを利用した相続対策において、留意すべき点もあります。

【賃借人が退去すると賃料収入が0円になる】
一棟アパートとは異なり複数の部屋がない区分マンションは、空室になった場合の収入が0円です。
そのため、借入金で購入している場合、賃料収入がなくても手元資産から借入金返済はしなければなりません。

【賃借人の有無が売却価格に影響する】
賃借人がいるかどうかで、不動産の価格が大きく変わります。

特に、〇DK以上のマンションでは、夫婦やファミリーが賃貸で入居するのではなく、分譲マンションとして所有目的で購入をする可能性もあり、購入希望者の対象が投資目的で購入する不動産投資家から、自ら居住するファミリーまで広がるのです。

そのため、賃借人がいる場合は収益不動産として、賃借人がいない場合は実需不動産(住む方向け)として売却価格を計算します。

【例】相続対策で、空室の中古区分マンションを価格4,000万円で購入し、第三者へ月額15万円(年間180万円)で賃貸しました。周辺の投資利回りの相場は6%です。

賃貸している不動産は、買って住みたい人ではなく、投資したい人、つまり不動産投資家が購入します。
売却価格の求め方は「年間賃料収入に対する投資利回り」で計算します。

計算式:年間賃料180万円÷投資利回り6%=3,000万円

上記事例のように、賃借人がいる場合といない場合とでは、同じ部屋なのに売買価格が1,000万円も変わりましたね。
遺産分割時の時価を計算するときや、相続後に売却する予定がある方は、賃借人がいる・いない場合の価格査定をしたほうがよいでしょう。

不動産は、空室時と賃貸中のときで価格が異なるので、両方の場合の不動産価格査定をしましょう。